イタリア北部南チロル地方の素晴らしい自然環境の中でヨーグルトが生産されています。中でもイザルコ渓谷のヴィピテーノ乳製品工場は、1979年から際立って新鮮な乳製品の生産で有名です。
イタリア北部のアルプス渓谷は、乳製品の生産に秀でた地域です。牧場に適した広大な高地では、動物たちが自然の中で飼育されています。このためチーズを始めとして、クオリティの高い乳製品が生産されています。特にここ10年ほどで、アルト・アディジェは南チロル地方特産のヨーグルトで全国的に知られるようになりました。
アルト・アディジェ乳製品組合の乳製品とチーズ
生産システムと流通の合理化を図るため、南チロルには乳製品生産者組合とアルト・アディジェ乳製品組合が誕生し、10組合ほどの南チロル地方乳製品とチーズ生産組合が名を連ねています。組合の中心は標高800から2,000mに位置する5,000ほどの家族経営の農家で、平均13頭ほどの動物を飼育しています。生乳は毎日、農場から加工工場または売り場に24時間以内に届けられます。そのためとても新鮮でハイクオリティの牛乳やバター、生クリーム、チーズ、モッツアレラ・チーズ、ヨーグルトなどの商品が流通しています。今日アルト・アディジェ産ヨーグルトは、山岳酪農家に欠かすことのできない乳製品として重要な地位をしめており、ラッテリーア・ヴィピテーノも酪農家のうちの1社です。
ラッテリーア・ヴィピテーノ産の認証ヨーグルト
ボルツァーノ産の乳製品やチーズは、アルト・アディジェ域内で生産し、品質管理を証明するクゥアリタ・アルト・アディジェ商標によって認証されています。このヨーグルトの産地として選ばれた地は、オーストリアとの国境近くのイザルコ渓谷のヴィピテーノです。組合には600ほどの農家が登録し、毎日150万カップのヨーグルトを生産するために15万リットルの新鮮な牛乳を搾乳しています。ラッテリア・ヴィピテーノの乳製品は、施設内のショップや町の中心地、またイタリア全土のスーパーマーケットでも購入可能です。ラッテリア・ヴィピテーノのヨーグルトやその他の乳製品には、基準をクリアしていることを示す多くの認証を持ち、さらにエコシステムも尊重しています。有機栽培の承認もあり、消費エネルギーの削減を実践しています。栄養価は、ヴィピテーノ低脂肪ヨーグルト100gあたりのエネルギーは、全脂肪の74kcalに対して41kcalです。低脂肪ヨーグルトの脂肪分は0.1g、全脂肪では4.2g、タンパク質は低脂肪が4.3g、全脂肪が3.7g、カルシュウムは低脂肪が145mg、全脂肪130mg。また炭水化物の含有量はいずれも5.5g前後です。
山田 美知世
京都市出身。イタリア在住40年。月刊女性誌「amarena」の元編集長。現在も日本とイタリアの雑誌と本の取材、及び執筆活動を続ける。イタリアの国家試験オリーブオイル鑑定士試験に合格、資格を取得(イタリア共和国農林食料政策省オリーブオイル鑑定士登録番号 MI.0023278)。イタリア各地、ニューヨーク、東京、イスラエル、トルコの国際オリーブオイルコンテストの審査員を務める。イタリアでは新聞記者と共著の「ARTE DI SUSHI/寿司という芸術」「ラーメン」「日本の家庭料理」「日本酒と日本のスピリッツ」を出版。