ヴェネト産ポレージネの白ニンニクは万能薬

香しい球根はロヴィーゴ県ポレジーネの伝統的な特産品です。ここでは栽培方法から出荷するための加工に至るまで、昔から厳格に伝統が継承されています。

ニンニク栽培はロヴィーゴ県ポレジーネに広く普及しています。この地方には古くから伝わる厳格で伝統的な栽培方法と、販売前の特別な手入れを行なっています。ポレージネの白ニンニクは形が整っていて硬く、輝くような白さで程よい香りです。色や美しい形だけでなく、長期保存が可能なことも重要なポイントです。2010年DOP保護原産地呼称に認証され、同年このDOP商品の保護と促進を目的とするポレージネの白いニンニク保護組合が設立されました。組合は生産者と加工業者に協力して保護原産地呼称の規定を取入れることに努めています。また原産地域と直接関わりながら促進のための改革も行っています。

ポレージネの白ニンニク。香しい球根はロヴィーゴ県ポレジーネの伝統的な特産品です。

加工

ポレージネの白ニンニクは、生産規定に従って、エコタイプ品種であるビアンコ・ポレジーネ種かアヴォーリオ種の栽培とされ、栽培地域もロヴィーゴ県内でなければなりません。7月に収穫され、販売期間は翌年の5月まで続きます。茎は収穫時に真っすぐ裁断し、根は完全に取り除くか、少しだけ残します。こうするとニンニクに余分な水分が入るのを防ぎ、硬いままで保存することができます。その後25-30日ほど日光で直接乾燥させます。これはこのニンニクの特徴である輝く白さのために必要不可欠な工程です。このように出荷準備は全て手作業で行われます。同じように「レスタ」と呼ばれるさまざまな長さに数珠つなぎしたニンニク、トレッチーネ、グラッポロ、グラッポローネなども作られます。

ポレージネの白ニンニクは、25-30日ほど日光で直接乾燥させます。

ヘルシーな料理の強い味方

生はそのままか小さく刻み、乾燥した状態のものは粉末状か絞って使います。ニンニクはどのような調理方法にも適する、貴重で料理に欠かせない野菜です。抗菌作用や粘液溶解作用など、並外れた治療効果もあります。血圧を下げる効果もあり、冠動脈や大動脈、血圧など循環機能を助けます。ニンニクは万能薬と言っても過言ではなく、健康的な料理のパートナーと言えるでしょう。


山田 美知世
京都市出身。イタリア在住40年。月刊女性誌「amarena」の元編集長。現在も日本とイタリアの雑誌と本の取材、及び執筆活動を続ける。イタリアの国家試験オリーブオイル鑑定士試験に合格、資格を取得(イタリア共和国農林食料政策省オリーブオイル鑑定士登録番号 MI.0023278)。イタリア各地、ニューヨーク、東京、イスラエル、トルコの国際オリーブオイルコンテストの審査員を務める。イタリアでは新聞記者と共著の「ARTE DI SUSHI/寿司という芸術」「ラーメン」「日本の家庭料理」「日本酒と日本のスピリッツ」を出版。