シエナ近郊アルマイオーロ農園

シエナ近郊にあるラポラノ温泉は560ヘクタールに広がる魅力的な土地で、ワインやオリーブオイル、チンタ・セネーゼのサラミを生産し販売しています。ここではアグリツーリズム以外に狩猟活動やスポーツフィッシング、マウンテン・バイクのツーリングなども体験できます。

ラポラノ温泉は、田舎と自然、森、農園、アルマイオーロのように歴史的な町が共存する地域です。ここには560ヘクタールに渡って広がるアルマイオーロ農園があり、敷地内は450ヘクタールの森、23へクタールのオーリーブ農園、3ヘクタールのぶどう畑や麦畑、トウモロコシ畑があります。アグリツーリズムのある農園内には150頭のチンタ・セネーゼ豚やキジも飼育されています。敷地内には13戸の農家があり、うち3戸はアグリツーリズムです。販売店に隣接するワイナリーは、クアリトスカーナプロジェクトとして誕生しました。

アルマイオーロ農園

多機能のアルマイオーロ農園

農園ではグランチェ・セネージ・ワイン、エクストラバージン・オリーブオイル、チンタ・セネーゼ豚のサラミ類で、いずれも敷地内の販売所で購入することができます。アルマイオーロ農園では年間1万リットルのエクストラバージン・オリーブオイルを生産し、「テッレ・ディ・シエナDOP」と「トスカーノIGP」のDOPとIGPオイルがあります。このオイルの特徴は、濃いグリーンと深い味わいで、アーモンドとアーティチョークの香りがします。チンタ・セネーゼの飼育は150頭に及び、半放牧で飼育されるこの肉はDOP保護原産地呼称に認証され、プロシュットやカポコッロ、ロンボ、フィノッキオーナ、サルシッチャやサラミが生産されています。

アグリツーリズムのある農園内には150頭のチンタ・セネーゼ豚やキジも飼育されています。

アルマイオーロ農園のトスカーナ州とウンブリア州のぶどう畑

3ヘクタールに渡るアルマイオーロ丘のぶどう畑では、サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニオンとマルバジアを栽培していますが、ウンブリア州のテルニにもメルロ、シャルドネやチリエジョーロを栽培する土地を所有しています。アルマイオーロでは年間約50万リットルのワインを生産しています。地元で栽培するぶどうから9タイプのワインとリセルバワイン、IGT地域特性表示認証のトスカーナ・ワインを含むグランチェ・セネージ・ワインDOCを生産し、ウンブリア州では商標の無いテーブルワインを生産しています。グランチェ・セネージ・ロッソはサンジョヴェーゼが70%、カベルネソービィニオン25%とメルロでブレンドされます。最初の8か月はタンクで、その後に6か月間樽で熟成し、最後にボトルで4か月間熟成させます。濃いルビー色で、フルーティーなコクがある優雅でフルボディのバランスの良いワインで、野生の鳥獣料理や熟成チーズと良い相性です。

白ワインはマルバジア、トレッビアーノ、シャルドネのブレンドです。赤ワインの生産の中心はサンジョヴェーゼで、中でもリセルバ赤ワインとサンジョヴェーゼ・バリエターレは、国内外の市場で最近もっとも需要が増えつつある単一品種のぶどうで作ったワインです。


山田 美知世
京都市出身。イタリア在住40年。月刊女性誌「amarena」の元編集長。現在も日本とイタリアの雑誌と本の取材、及び執筆活動を続ける。イタリアの国家試験オリーブオイル鑑定士試験に合格、資格を取得(イタリア共和国農林食料政策省オリーブオイル鑑定士登録番号 MI.0023278)。イタリア各地、ニューヨーク、東京、イスラエル、トルコの国際オリーブオイルコンテストの審査員を務める。イタリアでは新聞記者と共著の「ARTE DI SUSHI/寿司という芸術」「ラーメン」「日本の家庭料理」「日本酒と日本のスピリッツ」を出版。