シチリアの黒蜂が作るハチミツは抗酸化要素がたっぷり

シチリア州で養蜂される黒蜂は、極上の特性と有効成分を持つ21種類の「モノフローラ」蜂蜜を作り出します。

シチリア州の黒蜂

シチリア西洋蜜蜂で「無統制」と分類されるシチリアの黒蜂は、遺伝に人工的な精選をせず、生産性や行動も淘汰されていません。1987年パレルモのカリーニで最初の純粋なシチリア蜂の3ファミリーが発見されて以来、カルロ・アモデオ社はこの亜種を守っています。アモデオは蜂の本質を改良するような手を加えることはせず、強くて生産性の高い家族のために虚弱であったり病気の家族を除去する「加速自然選択」を行っています。今日アモデオは21種類のモノフローラ蜂蜜を生産しています。女王蜂や新鮮な花粉、プロポリス、蜜蝋クリームの他に、4.000の蜜蜂の群れは受粉のために、女王蜂付きの1.000の蜜蜂の群れは養蜂家に貸し出しています。

シチリア黒蜂からとれる蜂蜜

シチリア黒蜂の蜂蜜の並外れた特性のひとつは「世界で最も抗酸化効果が高い」ことです。全種類の蜂と比較するとその能力は3から10倍です。シチリア黒蜂の蜂蜜は唯一、抗がん作用や抗、バクテリア作用のある4つの抗真菌成分を含んでいます。まさに若さと健康を保つための万能薬です。アモデオのアイデアは、機能性食品として、まや高い薬用効果を持つ蜜蜂を作る養蜂家を増やして養蜂家組合を作ることです。組合ができれば商品化する前に異なった「モノフローラ」を個々に分析して蜂蜜の有効成分を明記し、消費者に届けられるようになります。

シチリアの黒蜂が作るハチミツは抗酸化要素がたっぷり

シチリアの黒蜂

シチリアの黒蜂は、北アフリカ生まれの西洋蜜蜂かチュニジア西洋蜜蜂の系統です。見かけはシチリア蜂と似ていますが、生産性や行動能力は異なります。西洋蜜蜂はとても攻撃的で大家族を構成せず、頻繁に巣を離れて別の場所に移動します。シチリア蜂と似ているのは、女王蜂が死んだり巣を離れた場合でもひとつの巣に多くの女王蜂がいること、そして冬季も生産出来ることです。どちらの蜂も素朴で風土病の蜜蜂へギイタダニへの抵抗力があり、自己防衛能力がありますが、自ら攻撃することはまれです。シチリア黒蜂は今でも窮地にあり、絶滅を避けるためには保護する必要があることを忘れてはなりません。


山田 美知世
京都市出身。イタリア在住40年。月刊女性誌「amarena」の元編集長。現在も日本とイタリアの雑誌と本の取材、及び執筆活動を続ける。イタリアの国家試験オリーブオイル鑑定士試験に合格、資格を取得(イタリア共和国農林食料政策省オリーブオイル鑑定士登録番号 MI.0023278)。イタリア各地、ニューヨーク、東京、イスラエル、トルコの国際オリーブオイルコンテストの審査員を務める。イタリアでは新聞記者と共著の「ARTE DI SUSHI/寿司という芸術」「ラーメン」「日本の家庭料理」「日本酒と日本のスピリッツ」を出版。