【FOODEX JAPAN 2023 イタリア館レポートvol.5】大使館貿易促進部が商談をサポート!日本未上陸のイタリア製品をそろえた「ショールーム」

2023年3月7日(火)〜10日(水)の4日間、東京ビッグサイトにて開催されたアジア最大級の食品・飲料展示会「FOODEX JAPAN 2023」。

本記事は、同展におけるイタリア館の開催内容を5回にわたりレポートする第5回目。今回は、イタリア大使館 貿易促進部によりコロナ禍から始まった取り組み「ショールームコーナー」についてお届けします。

例年以上の熱気に包まれたイタリア館

1976年から始まり、世界90カ国・地域以上から最新の食品や飲料が一堂に会するアジア最大級の食品・飲料展示会「FOODEX JAPAN」。イタリア館は30年以上出展し、出展社数も面積も年々増え、海外パビリオンでトップレベルの規模を誇ります。

イタリア館をオーガナイズするイタリア大使館 貿易促進部の杉岡有希さんにお話を伺いました。

「今回のイタリア館の出展募集は2022年秋の時点で行いました。まだ、その時点では“きっと来日が叶うであろう”という状況ではありましたが、日本へ入国できるようになれば出展希望は多いだろうと予測し、去年よりも面積を約1.5倍に拡大しました。

結果的に昨年よりも多い、約170のイタリア企業が出展しました。オリーブオイルやワイン、パスタ、トマトや野菜の加工品、バルサミコなどの調味料や菓子類のほか、オーガニック、グルテンフリー製品、冷凍食品なども出展しています。」

出展者や企業はもとより、バイヤーも世界各国から集まるFOODEXは、ビジネス拡大の機会を得られる貴重な場。コロナ禍を経て4年ぶりに海外からの来日が実現した今年はひと際特別な開催となりました。

「イタリアから来日した生産者にとっては、久しぶりの日本での展示会になります。コロナ前よりも積極的にお声かけをしているブースも多く、生産者の意気込みを感じます。」

コロナ禍にスタートした取り組み「ショールーム」

イタリア大使館貿易促進部による「ショールームコーナー」は、コロナ禍で海外からの入国が叶わず、日本にエージェントがいる生産者しか出展ができなかった2021年にスタートした取り組みです。

「ショールームコーナーは、コロナ禍に “製品だけでも紹介できないか”“少しでも商談の手助けになれば”、ということで生まれた企画です。来日できない生産者の製品を紹介しています。

こちらで現物を見ていただき、日本への輸入を検討している方を対象に、後日オンラインで生産者と直接話す場を設けています。商談される方にはサンプルをお渡ししているので、テイスティングしていただいた上で、オンライン商談に臨んでいただくという形です。ご希望があれば、通訳付きで手配しています。」

今回のショールームの出展条件は、過去3年間、日本へ入ってない製品やそのメーカーであること。2021年は約40社が参加し、2022年は70社まで増え、出展社・来場者の双方から好評を博しましたが、入国が可能になった今年は縮小し11社の製品を紹介しました。

「ショールームでは商談の紹介だけでなく、訪れた方へアンケートを行い、商品に対してどういった印象を持たれたかという“会場の声”を記録に残しています。個人で輸入が難しいという小売店や飲食店の方には、『日本で取り扱いが始まったら自店で扱いたいですか』ということも尋ねています。

そのアンケート結果をフィードバックすることで、生産者は自分の製品の日本での捉えられ方を知ることができます。また、その製品が日本に入ったら取り扱いしたいという方の情報についても、本人のご了承をいただけた場合は生産者へ共有しています。もし商談がうまくいって日本での取り扱いがはじまったら、ぜひその方々へ連絡してくださいという形で橋渡しを行なっています。」

各棚にはショールームで用意した商品の説明書を置いた。統一フォーマットで情報が整理され、比較検討しやすい。

「生産者から直接話を聞けるというのが展示会の醍醐味だと思いますが、逆に、ショールームでは製品を自分のペースでゆっくり見ることができるという点が好評をいただいています。製品や説明書を手に取ってじっくりご検討いただけているようです。

生産者によっては陳列方法にもこだわりがあって、上の段にはこの商品を置いてといった細かい指示があったり、目に止まりやすいパッケージを並べたりと、不在ながらもそれぞれの個性を伝えられるように努めています。

昨年こちらのショールームで商談がまとまり、今年はインポーターともにスタンドブースへ出展した生産者が複数いらしたのは嬉しかったですね」と笑顔を見せる杉岡さん。

来年以降のショールーム企画についても尋ねると、「現状ではなんとも言えない状況ですね。今後オンライン商談がどんな形で根付いていくかにも依りますが、やはり生産者ご自身が商品を説明いただくという形がベストだと思います。」

輸入ビジネスに公的機関を活用するという選択

ショールームコーナー及び、イタリア館全体をプロデュースするイタリア大使館・貿易促進部は、「メイド・イン・イタリー」製品の認知度向上や、輸出促進を図る組織。

日本国内で開催するさまざまなイベントやフェアでイタリアメーカーの紹介やイタリア産商品のPRを行うなど貿易振興に力を入れており、輸入ビジネス向けのサービスも提供しています。

イタリア企業やイタリアの各州政府、商工会議所、業界団体、その他のイタリア官民関連組織との連携もあるので、日本ではなかなか手に入らない最新の規制内容や現地情報、イタリア製品の日本での取り扱いに関する情報などが入手できます。

商談会やセミナーも開催していますが、個別での相談も可能です。イタリアの新たな商品の発掘や取引先の開拓を考えている場合は、活用してみてはいかがでしょう。

イタリア大使館 貿易促進部  ICE Tokyo
https://www.ice-tokyo.or.jp/