以前ご紹介した「ピアットスズキ鈴木シェフ監修「沖縄黒糖ランチ」に続き、沖縄黒糖の話題です。去る5月10日に、「黒糖の日(5月10日)」の記念イベントが東京・新宿で開催されました。
当日は会場となった新宿のイベントスペース「バスあいのり3丁目テラス」で4月29日から開催されている「沖縄黒糖ランチ」フェアの提供料理が振る舞われました。当初は5月15日までを予定していたフェア期間は、ゴーデルデンウィークの反響が大きかったことから30日まで期間延長が決定するなど、着実にブランド認知を高めているようです。
セレモニーは沖縄黒糖を生産する8つの島とそれぞれの黒糖の特徴を紹介する動画に続き、「沖縄県黒砂糖工業会」「沖縄県黒砂糖協同組合」会長の西村 憲さん、「沖縄県 農林水産部」農業振興統括監の前門尚美さんの挨拶から始まりました。西村さんは「沖縄黒糖が消費者に身近な甘味料として使用いただけるよう務めていきたい」と、沖縄特産品のひとつとしてだけでなく、より大きなマーケットをめざす意欲を、前門さんは「沖縄黒糖は伝統的な郷土料理や菓子作りに使われ、沖縄料理の味に欠かせない。精糖期間が終了し、新糖の製造が本格的に始まる本日5月10日を黒糖の日と定め、全国に広くアピールしていきたい」と語りました。
続いて沖縄黒糖ランチのメニュー開発を担当した料理家の比嘉康洋さんが挨拶。沖縄出身の比嘉さんにとって沖縄黒糖は「おばあちゃんの家に行くと、沖縄黒糖のかちわりとさんぴん茶が必ず出てきました」と慣れ親しんだ砂糖。沖縄黒糖に向き合いながらメニュー開発の機会を得たことで、改めて故郷の食材の独自性を感じることができたそうです。また開発にあたっては島ごとに異なる8種の沖縄黒糖の特性に合わせた味付けをめざしたそうです。
沖縄黒糖ランチでは「新宿を訪れる若者が気軽に楽しめるよう、街を歩きながら食べられるハンディな料理に仕立てました」と比嘉シェフ。沖縄料理のエッセンスをしっかり採り入れながら、楽しさや親しみやすさのあるメニューばかりでした。
沖縄黒糖の生産は現在8つの離島でのみ行われています。原料のサトウキビ栽培から精糖まで、それぞれの島で一貫製造されていることからどれも島の個性(テロワール)が表現されている他では見られない甘味料で、様々な料理との出会いにより新しい可能性をたくさん秘めている食材であることを実感できるイベントでした。