『モッツァレラ・ディ・ヴァッカ(牛乳製モッツァレラ)』

高桑 靖之(オステリア・セルヴァジーナ)
盛り付け写真

材料 (10Lの生乳から約1.2kg分)

生乳(ノンホモジナイズ・低温殺菌用)
10L
乳酸菌スターター
レンネット(液体凝乳酵素)
パスタフィラータ用熱湯(85〜90℃)
適量
冷却・保形用冷水
適量
※ 製造メーカーが推奨する使用量

作り方

1.【殺菌・乳酸発酵】

生乳10Lを鍋に入れ、63℃で30分間湯煎殺菌する。その後、速やかに36〜38℃まで冷却する。乳酸菌スターターを加え、全体を均一に撹拌して約40分間静置し、乳酸発酵を促す(pH 6.4目安)。

2.【凝固】

37℃の温度を維持したまま、少量の水で希釈したレンネットを注ぎ入れる。全体を15秒ほどゆっくり撹拌して水流を止め、蓋をして静置する。約40〜50分でカード(凝乳)が豆腐状に完全に固まったことを確認する。

3. 【カッティング・ホエイオフ】

カードに2〜3cm角の格子状にナイフを入れ、5分ほど静置してホエイ(乳清)を浮かせる。その後、泡立て器等を用いてさらに細かく(ウズラの卵大〜大豆大)カットし、ゆっくりと優しく撹拌しながらカードを引き締め、余分なホエイを排出させる。

4. 【熟成】

カードを鍋の底に沈めて軽くプレスしてまとめ、上澄みのホエイを全体の8割ほど抜き取る(※このホエイは工程8の塩漬け用に取っておく)。カードをザルやモールド(型)に移し、35℃前後の環境をキープしながら静置し、さらに乳酸発酵を進めて熟成させる。

5. 【熟成の見極め】

熟成開始から約2〜3時間後、カードのpHが5.0〜5.2(最もパスタフィラータに適した酸度)に達したか確認する。職人技の感覚に頼る熱湯テストもあるが、仕込みに慣れるまではpHメーターを使い、数値で客観的に管理することが失敗を防ぐ確実な方法である。

6. 【練り上げ】

最適な熟成を迎えたカードを、厚さ1cmほどの薄切り(またはダイス状)にカットしてボウルに入れる。85〜90℃の熱湯をカードが浸るまで注ぎ、1分ほど待って熱を伝える。木ベラ等を使用し、カードを折りたたむようにして一体化させ、空気を抱き込ませるように艶が出るまで滑らかに引き伸ばし、練り上げる。

7. 【成形(モッツァトゥーラ)】

練り上がった生地を滑らかな球状にまとめ、親指と人差し指の間から押し出すようにして丸くちぎる(モッツァトゥーラ)。空気が入らないよう、基本の「丸型」に手早く均一な大きさに成形していく。

8. 【冷却・塩漬け】

成形後すぐに10℃以下の冷水に投入し、芯まで冷やして形状を安定させる。十分に締まったら、取り分けておいたホエイに3.0%の塩を溶かした【A】に漬け込む。
※提供時は完全に冷え切った状態ではなく、少し室温に戻すか、ぬるま湯に一瞬くぐらせる(または温かい塩ホエイをかける)ことで、牛乳本来の甘みとジューシーな食感、フレッシュな香りが劇的に向上する。

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